こころのバランス

統合失調症の姉が乳がんになってしまった

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ガンが発覚

姉が乳がんになってしまった…

もともと20代から統合失調症で、つらい思いをしてきた姉さん

今40代後半で乳がんと告知されてしまった。

2021年春頃、胸に違和感があったそう。くぼみや痛み、左右のバランスも悪く、痛みもあったらしい。

統合失調症の姉さんは、病院に行くのが怖くてずっと行けてなかった

普段から自分に自信がもてず、人から変に思われてしまうという恐怖があり外にあまり出られない

統合失調症の症状の一つ。

そのせいもあって、病院に行くのが遅れてしまった。

気が付いたのは母親、わたしに「姉さんの胸がなんかおかしいのよ」という電話だった。

年老いた母さんには、病気の姉さんを説得する事が難しく、だいぶ病状が進んでからようやく私に相談してきたらしい

比較的、妹のわたしの話はすんなり聞いてくれる傾向が強い姉。

ネットで近くの病院を予約して連れていくことにした。

マンモと超音波の検査。

病院の先生がかなり深刻そうな雰囲気で「ちょっとあまりよくない感じがします」と

検査をする事になり、両胸に局部麻酔をして組織をとり検査する事になった。

検査結果は2週間後…

姉がいないところで、先生から癌の可能性が非常に高いと知らされ、何とも言えない気持ちになった

検査結果を待たずとも、癌ってわかるって相当やばそうだじゃん…。

姉には言えず、母とわたしはなるべく病院の話にはふれないように家路についた

大きい病院での再検査

それから2週間後、病院から告げられた結果は、乳ガン

左右どちらもガンの可能性があります。

紹介状を書くので、大きい病院に行ってください。

やっぱりガンか…。しかも両方…。

紹介状をもらい、1週間後大きい病院に検査に行くことになった。

その日は朝から病院。受付を済ませてから3時間待たされる

しんどい…。姉さんもぐったりしてる。

先生と一通り話終え、精密検査をすることになり

血液、尿、マンモ、超音波、肺活量、心電図の検査をした。

終わったのは6時…。朝から長時間。

わたしも母さんも、当事者の姉さんも、みんなぐったりでした。

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検査結果は…!?

6月中旬… 今日は検査結果を聞きに行く日。
姉さんと母さんは朝早くからCTを撮りに行き、わたしは仕事の合間をぬって11時に病院についた

先生に呼ばれ、3人で話を聞く。

結論から言って「がん」ですね。と

左胸はステージⅢ-a 右胸はステージⅡ。

手術はすぐにせず、まずは抗がん剤を3ヶ月使い、その後種類の違う抗がん剤を3ヶ月使って

その後手術になる説明を受けた。

あまり涙を見せない姉さんが、顔を真っ赤にして涙をためてる…

鼻水も出て必死に涙をこらえてる。

統合失調症、バセドウ病、色々な病気をもって生きてくのがツライ状況で、さらにガン。

なんとも言えない気持ちになった

抗ガン剤を使うと髪の毛は無くなります。先生はずばっと言う。

まつ毛もなくなって、人にもよりますが具合が悪くなります。と。

先生の話を聞いていると、突然姉さんが抗ガン剤やりたくない…。

手術もイヤ…とボソボソつぶやき始め、身体を震わせていた。

先生は若い女性で優しい感じ。姉さんの言動にちょっと困っていた。

タバコも吸っている姉さん。

先生から、タバコ…辞めないと手術できないんです。

血管が細くなってしまって、麻酔の効きが悪くなるので。

あと抗ガン剤も受けないとどんどん進行してしまいます

それを聞いてまたシクシク泣く姉さん…。

しーんと静まり返る診察室。

先生が、今こうしていても結論が出るわけではないと思うので、次の検査の日までに決めましょうと言ってくれた。

母さんもそうしようとなだめるが、首を振る姉さん。いやだ、いやだと。

らちが明かなかったので

「治療や手術を拒否もできるんだよ、ただそのまま放っておくとすぐに悪くなって取り返しがつかなくなるんだよ」とわたしがさとすと、ゆっくりうんうんとうなずいてくれた

先生は、今の抗ガン剤は10年前の物とだいぶ違って、ゲーゲー吐いたりする事はほとんどないんですよとも言っていた。

次の検査は1週間後、ペットCT検査

あと抗ガン剤を点滴すると血管がすぐにダメになってしまうので、鎖骨の下か太ももの付け根あたりに、ポートという点滴の容器みたいなものを埋め込むらしい…。

どうやらその容器に直接抗ガン剤を入れると、血管を確保せずとも楽に点滴ができるみたい。

そんなことができるんだなーと感心。

当の本人はめちゃくちゃビビッてるけども…

少しでも苦しまない治療をしてほしいと願っている。

ペットCT検査の日

1週間がたち、ペットCT検査当日。

姉さんは前の日から、行きたくない行きたくないとずーと言っている。

でも受けないとね…。前にすすめないもの

どうやらこの検査、身体に糖を点滴してからCTを撮るらしい。

糖はがん細胞にくっつく習性があるので、検査でがん細胞がどこにあるかわかるらしい。

要は転移を見つけるのかな…

いつもあめ玉を口に入れて緊張をほぐしている姉さん。検査前にアメを食べたいと訴えるも

糖が絡む検査なので、当然NG。そりゃあそうだよね。

しかしすごい機械があるものだな。

姉さんがガンになって、初めて知る事ばかりだ。

検査の後は、被爆しているからか、検査する人と一緒に暮らしている人が

なるべく接しないようにと言われた。

妊婦さんや、未就学児の子どもが同居している場合は、特に注意が必要で

できれば1階と2階で離れて生活するように勧められる。

期間は1日程度らしい。

本人が来ていた洋服は、他の衣類と一緒にしないで単独で洗濯するようにも言われた。

レントゲンの比ではないくらい、被爆するのだろうか。

ちょっと怖いなー。

無事に検査も終わって、また1週間後検査結果を聞きに行く予定。

そしてその日にポート手術をする。

着々と抗がん剤治療、手術に向けて動き出している。

常に弱音をいう姉さん。

そりゃそうだわ。

「つらいよね。でもがんばろう。乗り越えてがんばろう」

ありきたりな言葉しかかけることができない。

身内がガンになるのって本当につらいな。

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ペットCT検査の結果は…

7月に入り、ペットCT検査の結果がでた。

「現状では転移はありません」

「ただ、胸の近くのリンパには少し怪しい影がありますが、今の段階で治療を進めていけば問題ないでしょう」

先生から告げられ、一安心。

とりあえず転移はなさそう。

その日、同時にポート手術をする事になっていた。

前日からかなり緊張していた姉さん。

検査が次から次へとやってくる。ガンになるとこんなに大変なんだと改めて感じる。

ポートは右腕の二の腕に入れる事にした。

手術は局部麻酔で、思ったよりも早く終わった。

10cm程度の傷跡があり、けっこう痛々しい…。

ガンとわかっても治療を始めるまで、色々な検査が必要で、長い時間がかかるのだと改めて思う。

普通の人でもとてもつらいのに、統合失調症の姉さんはもっとキツイよね…。

がんばってとか、きっと大丈夫だよとか、軽い言葉しかかけてあげれない。

8月からはいよいよ抗がん剤投与が始まる。

抗ガン剤投与の開始

いよいよ抗ガン剤の開始。

2種類の抗ガン剤を3ヶ月ずつ使っていくとの事。

まずは3週間に1回のペースで日帰りで病院へ行き投与、それを3ヶ月続ける。

初回は、入院をして様子を見ながら投与していくのですが、姉さん入院は絶対無理と拒否。

何度も母さんと説得しますが、ダメでした。

先生にどうしても入院しないとダメでしょうか?と何度もお願いして、結果ギリギリで入院はしなくてもいいことに。本当はダメなんですけどね…。粘り勝ちです笑

抗ガン剤投与の後、副作用が出始めたのは2週間くらいたってから。すぐには副作用でず。

髪が抜けて、まつ毛も抜けて、吐き気はほとんどなく、顔のむくみがかなり出てる。

病院のお医者様が2週間くらいしたら副作用でますよ。って説明してたんですが

ほんとその通りになったのでびっくり。

昔は副作用で吐き気がひどく出たらしい、今は薬もだいぶ改良されていてそこまでひどい副作用は無い場合が多いそう。もちろん人によるんでしょうけどね。

8月頃から抗ガン剤を開始して、1種類目の抗ガン剤が終わる10月頃には口内炎がたくさんできて、姉さんすごく辛そう。味もしなくなって食事がのどを通らず。

このころ生きる気力を失ってる感じで、身内はしんどかった。

何とか励ましながら乗り越えていく感じ。

10月中旬には新しい抗ガン剤が始まり、また1回目は入院するよう言われ。

でもまた入院したくないと駄々をこねて、すったもんだして入院はしなくてすみ。

看護師さんワガママな患者で困ったと思います。

新たな薬は姉さんの身体にあわないようで、結構吐き気がつらかったみたい。

あと口内炎は都度できてて、味覚もおかしくて、全然食べれません。

体重が減るのかと思いきや、逆に太くなり。

先生いわく、ガンになって治療に進むと、痩せていくイメージですが、副作用で太ることもあるとの事。

むくみもひどいし、太るしで、もともと外出ができない姉が、更に出不精になってしまいました。

抗ガン剤がを初めて6ヶ月たち、2023年1月にいよいよ手術の予定。

姉さん、入院もできないのにホント乗り越えられるのかしら‥。

私も母さんもこれからが勝負。

いよいよ手術日が決定…

抗がん剤治療から約8ヶ月、当初1月に手術の予定だったが延びていた。

手術1週間くらい前に電話で連絡がくる事になっていたが、なかなか来ず。

長引けば長引くほど、姉さんの不安が強くなっていって、母さんも私も一生懸命なだめていた。

しびれを切らして、病院にまだ連絡がこないと伝えると、どうやらコロナで手術が延期になっている人たちが、このタイミングでどんどん手術をしている為、回ってこないとの事。

でも待たされる方はたまったもんじゃない。

抗ガン剤が一旦終わって、手術まで約2ヶ月、その間だいぶ体調がよくなっている。

髪もパヤパヤ生えてきて、口内炎がたくさん出来てたのもなくなって、味覚もふつうに戻ってる。

乳がんと言っても、痛みがあるわけじゃないから、手術までの2ヶ月はだいぶ穏やかに過ごせている。

でも姉さんは統合失調症だから、不安感が常につきまとって大変。

手術やめたい…。ってずっと言ってる。

会うたびに「がんばろう」しか言えない。家族もつらいなって思う。

2月に入っても手術日の連絡はこない。

でも1ヶ月に1回ポート洗浄をしなくちゃダメだから、定期的に先生に診察してもらう。

サバサバしてて明るい先生。この先生でほんとよかったなって思う。わたし達家族がどよーんて暗くても、現実に引き戻してくれてる感覚。ありがたい。

3月に入ってようやく病院から電話があって、3月9日に手術をする事が決定した。

ガン発覚から9ヶ月。長い9ヶ月。

だけどまだまだこれから長く病気と付き合っていかなきゃダメで。

高齢の母さんと統合失調症の姉さん。自分ももっと密に関わっていく。

みんなしんどいな…。ガンになった本人。親、姉妹。

でも結局は乗り越えていかないとならない試練な訳で…。前向きにがんばろうと必死にあらがってる。

ガンになった人や、その家族の人達ってみんなこれを乗り越えてるのかと思うと尊敬してしまう。

とりあえずは、やっぱり前向きにがんばろう。本人の前で弱音は見せられないし。

いよいよ来週は手術。その前に術前の説明を聞きにいかないとな。

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